2016年1月26日火曜日

岩手県高野連 技術指導研修会

平成27年度岩手県高校野球連盟主催の技術指導研修会に講師として参加してきました。

元陸前高田高校 佐々木監督(現岩手県高校野球連盟事務局長)が早稲田大学の同級生であり、依頼を受け、今回に至りました。

お話を頂いた際に、佐々木元監督からは、「今年、岩手で国体があるので強化したい。」「東北で甲子園の優勝旗を持って帰っていないので、岩手県がその最初になりたい。」とのことでした。

勿論、「1日や2日指導をしたからと言って、直ぐに全体の底上げになることはならない。」したがって、私の方からは、「指導者が実技体験をするような参画型の研修会」にしましょうと提案を致しました。

通常、生徒(選手)と指導者がセットになって研修会を開催するケースが多いのですが、今回は、岩手県全域の指導者が一同に介して、実際にボールを投げたり、打ったりと非常に面白い試みとなりました。

勿論、今の時期の岩手県は、真冬で積雪のシーズン、
屋外で野球をやるような環境でないため、富士大学の屋内練習場を使って、やれる範囲での実技体験となりましたが・・・。 

目標は、強化ですが、高校野球のチームには、強豪校もいれば、部員が不足して連合チームで予選に臨むというケースもあるようにレベルが均一化されているわけではありません。

したがって、今回の研修では、基本の説明、それから上達するためのドリルの紹介を中心として、どのレベルのチームにも当てはまるような研修会を目指して進めてきました。

「やって見せる」というのが、指導方法の第一にあるのですが、指導者が理想とするフォームを指導者自身が出来ないまま、「こうやって打つのだ!」と生徒に見せるということは良くあることです。

実際、選手は言葉よりもイメージで捉えることが多いわけですから、下手するとチームの監督のフォームと選手のフォームが似てくるということが起きます。

昔、広岡達朗さんから「指導者も選手に見せるのであれば、しっかりフォームをチェックし、影で練習しなくてはいけない」と直接お話をお聞きしたことがあります。

そういった意味では、今回の研修で、指導者自身が実技を行ったことは大いに意味があったと思います。

実際、打撃指導の際に幾つかのドリルを紹介し、実際に数人の指導者の実技指導を行ったところ、フォームが改善し、打球が速くなった指導者が何人もいました。

スポーツを含め、何でもそうですが、結局は、コツを掴むということが大変重要です。

このコツを体感し、自分のモノとして吸収し、更に選手にそのフィーリングを言葉で伝えられるかが良い指導者との分岐点になるのではないでしょうか。

選手がいる前では、中々指導者も恥をさらすことはできませんが、同じ指導者同士であればその辺りの感覚はなくなっていたようです

津波によって大きな被害を受けた岩手県の皆様ですが、やらなければという使命感がひしひしと伝わって来て、こちらが非常に考えさせられました。

復興支援という言葉を軽々しく使うものではないのでしょうが、少しでもお役に立てればと二日間完全燃焼して参りました。 

少しでも岩手県
高校野球の発展に寄与できれば幸甚です。

雪積もる岩手県花巻で雪国の厳しさを体感し、一路九州へ戻りましたが、岩手県と変わらない地元の風景を見て、時の流れが一瞬止まったような錯覚を受けました。

この数日は、全国的に大変な荒れ模様でした。

皆様、今後もお気をつけ下さい。

2016年1月16日土曜日

2016年度社会人野球スタート 〜 社会人指導者研修会開催

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1月9日(土)に社会人指導者権研修会が開催され、今年も社会人野球がスタートしました。

十河監督率いる日本生命が都市対抗、日本選手権の連覇を果たした昨年でありましたが、他チームが打倒日本生命を目標に今年はどういう戦いをするのか非常に注目しています。

社会人野球スローガン決定!


さて、今回行われました指導者研修会ですが、通年2つ日間で行う熱海開催から一転、半日開催、東京で行うことと致しました。


クラブチームの増加で、クラブチームの指導者ができる限り参加できるようにと配慮した試みでした。


85名の指導者が参加しましたが、非常に充実した研修であったと参加者の評判も良かったですね。


研修では、まず市野日本野球連盟会長より「熱い戦いを期待している」との檄の挨拶があり、続いて大田垣日本野球連盟副会長より今年度のスローガンの発表がありました。


このスローガン、昨年までは、指導現場より案を募り、競技力向上委員会で決定していましたが、今回から一般の方からも公募し、一般の方の案と現場案の多数の中から選考する手順を踏みました。


で、競技力向上委員の皆の総意で決定されたスローガンは、川崎市の原田勝一さんの作品で、


「輝け社会人野球 地域の期待と誇りを胸に最高の瞬間(とき)を」

に決定しました。

最終的に一般公募の方の作品が受賞されたことは、最初の試みとしては、非常に良かったのではと思います。

ミスターアマチュア西郷氏、指導者に向けて語る


今回の指導者研修会のメインイベントでは、特別講演として、昨年11月25日に現役引退を表明したミスターアマチュアの西郷泰之氏の話。


非常に面白かったですね。

私が聞き手となり、今までの「社会人野球生活を振り返って貰う」という企画でしたが、元々あまり口数の多い方ではない西郷氏が、この日は、沢山の素晴らしい話をして下さいました。


「三菱川崎がなぜ強かったのか」、「バットマンとして心がけていること」、更には、「試合に出場するために守備強化をしたという若い時代の話」など盛りだくさんの内容でした。


詳細は、フルカウント様への投稿でアップするつもりですので、ここでは割愛しますが、

個人的に特に印象的だったのは、聞き手の役得で私が質問した私が監督として指揮をとった広州アジア大会の台湾とのタイブレークでの最後の打席について。


その状況は、

広州アジア大会で勝てば2位以上が決まる準決勝の台湾戦。


台湾は、オールプロの兵役免除をかけたドリームチームでした。

衣笠さんの解説でテレビ放映までされた試合でした・・・。


8回まで0対3と台湾にリードされるという完敗ムードの試合。


で、9回裏の土壇場で現富士重工の4番打者林選手(当大会では5番打者)が起死回生の同点3点本塁打を放ち、同点に追いつき、そのまま10回から無死1,2塁からお互いに攻撃をするというタイブレークシステムの戦いとなりました。

私自身も世界大会で初めてのタイブレークの経験となりましたが、後攻ということもあり、1点を献上しても裏に2点を取りに行くという戦術を取りました。

予定どおりに台湾の攻撃を1点に抑え、10回裏の全日本の攻撃へ。

無死1,2塁からバントで送り、1死2,3塁。


台湾が3番打者を敬遠し、満塁策で最終局面へ。

ここで登場したのが、4番西郷。

当然、もっとも信頼のおける打者ですから皆が打ってくれると信じていました。


が、結果は3塁ファールフライに倒れ、続く5番の林もショートゴロに打ち取られ金星を逃しました。

この打席の西郷がいつもの西郷らしい豪快な振りではなく、少し当てに行くような振りをしたことが「どうしたんだ」と強くに印象に残っていました。


この打席の心境を彼に講演の中で質問すると、次のように話をしました。


「1点ビハインドということもあり、最低限の仕事、つまり1点を取るということを考えてしまった。外野フライかダブルプレーにならない打球を打てばいいと安易に考えてしまった。」


「通常ならば、自分が試合を決めに行くと思って打席に向かうのだが、あの時は考えが小さくなってしまった。非常に悔いが残る打席でした」と。


初めて彼の追い込まれた姿を目の当たりにしたので、その打席の心境をどうしても聞きたいとずっと思っていたので、個人的にもすっきりした気持ちとなりました。


それ以上に西郷クラスでもそのような心理に陥るんだと「全日本の4番という重責の重み」を再確認できましたね。

講義を聴いていた指導者の皆様にも、選手育成のヒントとして参考になったのではと思います


西郷氏には、今後は指導者としての活躍を期待しています。



各チームとも冬場のトレーニングの最中で、これからキャンプを経て3月のスポニチ大会から公式戦がスタートとなります。


必死のプレーを見せると各監督も意気込んでいます社会人野球をこれからもよろしくお願い致します。








2016年1月1日金曜日

2016年を迎えて! 〜 明けましておめでとうございます!

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新年、明けましておめでとうございます。


昨年は、フルカウント様への投稿に精一杯で自身のこのブログを更新が滞ったことをお詫び致します。(杉内についての投稿が評判良かったようですので、是非ご覧下さい)

さて、昨年の私自身の目標は、
1.野球普及
2.自身が会長である長崎文教リトルシニアチームの全国大会出場
と掲げて、取り組んできました。

野球普及活動については、北海道高校野球連盟の皆さまを始め、全国各地で講師として、お招き頂き、楽しい時を過ごさせていただきました。
一人でやれる活動としては、かなり充実していた日々を過ごせたのではと思います。

昨年12月に野球指導者向けDVDを発売!


普及活動ではないですが、5年間という長き間連載をしていました「ベースボールクリニック」の自身のコーナー「Hint」が終了することとなり、その総集編としてDVDを昨年12月に発売しております。
基本の解説を誰にでも理解出来るように解説していますので、よろしくお願い致します。



昨年の長崎文教リトルシニアは大健闘!



長崎文教シニアは全国大会とは行きませんでしたが、8月に西日本大会出場、3年生最後の九州大会では、準優勝と輝かしい成績を納めてくれました。
勝利よりも、選手の育成に重きを置いて、指導に携わっていることもあり、中々勝てない状況にありましたが、漸く指導が結実してきたのかと個人的には大変嬉しく思います。
いいチームになってきましたので、新入部員の方、お待ちしています。

そういう訳で、昨年は非常に慌ただしく過ごさせて頂き、かなり充実していました。


今年は、岩手県高校野球連盟から・・・


「さて、今年は・・・」と意気込んでも、新らしいチャレンジなど、この年齢になるとそうそうないので、昨年に引き続き、指導の勉強と野球普及を第一に取り組んで行きます。

既に、1月には、岩手県高校野球連盟様から講習会の依頼を受けており、更に昨年から関わっているSGホールディングス(旧佐川急便)女子ソフトボール部の指導が待っています。大変楽しみにしています。

このブログをご覧頂いたり、その他の場面で、「講師として興味がある」と多くの方に声をかけて頂きました。もし、何かご質問あれば、当ブログにコメントの形でお問い合わせ頂ければと思います。



ということで、個人ブログでの報告も少しづつやって行きますので、よろしくお願い致します!

2016年元日