2012年5月14日月曜日

打順について(#3)

元中日監督の落合監督は、「左打者の打撃コーチに右打者の指導は、難しい」「1,2番打者を打っていた打撃コーチに4番打者の育成は難しい」ということを話されていると共通の友人を介してお聞きしました。
私も同意見で、レベルが高くなればなるほど、この二つの指摘について傾向が高いと思っています。
日本人の左打者は特に一塁方向に重心を移動しながら打つ打者が多く、軸で回転しながら打つ選手が少ないことは既に先にブログ内でコメントしておりますが、この感覚は、右打者には絶対にあり得えず、右打者からすると全く異質なものです。逆に言えば、左打者に右打者の感覚はわかり辛いと思います。特に逆方向に打つ打ち方については、特に顕著で全くからだの使い方が異なります。
しかし、右打者の打撃コーチは、左の打撃コーチが右打者を理解できないのと違い、左打者の気持ちを少し理解している人が多いと思います。子供の頃から、左打者が右打者に転向する人が少ないのに比べ、右打者が左打者に転向するのは非常に多く、また成功事例が多い。簡単に転向ができるとも捉えられると考えても良いかと思います。
そう意味で案外、誰でも一度は、左打ちへの挑戦を右打者は行なっていることも大きな要因かと思います。
題目からかけ離れてしまいましたが、落合さんコメントの二つ目が今日の本題です。
現役時代、私もあらゆるチームで色々な打順を打ちました。夫々に打順の役目があることを知りましたし、逆に打順によって試合への取組み方が変わってきます。
個人的には、この打順の中でも、4番打者だけは、他のどの打順とも少し違うと強く思っています。4番打者が一番好打者とは限らないとは思いますが、やはりチームの精神的な支柱であり、相手チームから最も警戒されるのも事実です。
上位打者がチャンスを作り、4番打者が1発で試合の流れを変える、または決めるという醍醐味は、この打順しかないからです。
私が4番打者に期待することは、結果よりも、いつも同じ精神状態で相手に立ち向かっていくことです。三振を怖がって当てにいくような打撃をすると相手チームからチームの資質を問われることになり、舐められてしまいます。前打席まで3三振でも、最後の打席で本塁打を打って試合を決めるのが4番の役割です。勿論、全打席安打を打ってもらうに越したことはないのですが・・・。
私は、どちらかというと「こいつが4番」と決めたら、かなり我慢して起用し続けます。これは、4番を努めた人間しかわからない重責があることとチームの顔となる人間は、そうそう居ないと思っているからです。
良くクリーンアップを頻繁に入れ替えるチームがありますが、結局、芯がないので、長い目で見たときでは強いチームが出来上がらないと思っています。
野球は、打っても、打てなくても批判を受けるスポーツです。結果に囚われると自分のパフォーマンスが出来なくなってきます。4番打者は、チームの顔と思い、批判を一心に受ける覚悟で試合に臨み、どんな場面でも自分のスゥイングをするという強い信念で打席に立つべきです。
4番を打っている選手には、このような気概を持ってプライドを持って試合に臨んで欲しいものです。
4番打者を降格させるときは、4番に不適切と判断したのだということを指導者は理解し、4番という打順が特別な打順であることを知って欲しいと思います。


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